2022.12.02 Interview

スピーディーで高精度な病理診断を実現するAI「PidPort」

メドメイン CEO 飯塚統氏

サービス概要:病理診断ソリューションとして、画像解析AIを搭載したクラウドシステム「PidPort」を開発するメドメイン。AIによる病理画像解析・遠隔診断支援、研究開発支援等を行うコラボレーション支援、そして病理データのデジタル保管といった機能を備えます。PidPortは胃・大腸・肺・乳腺・前立腺・膵臓・子宮頚部・尿といった主要臓器をカバー。全検体数の約90%を対象に、がんが検出可能なレベルでAIの開発を完了しています。

Monthly Pitch編集部はココに注目:患者の細胞組織をプレパラートで観察しがんの診断を行う病理診断を事業領域にするメドメイン。世界的ながんの診断件数増加に伴って、がんの確定診断を行う病理診断の重要性が高まっているものの、病理医の人数は横ばいで、病理医不足が叫ばれています。病理医不足は病理診断の結果が出るまでの長時間化に繋がり、待ち時間が長いために、がん進行が進んでしまうという問題の発生しているそうです。

そこで登場するのがデジタル病理を支援するAIクラウドシステム「Pidport」。病院で扱っているプレパラートを画像化し、アップロードすると、自社開発の独自ビューワーを使って、高速・高精細に患者のがん細胞等の観察が可能になります。ビューワー上で病理AIの画像解析をかければ、がんの検出を行うほか病変部位の特定が可能。これによって診断の支援、業務効率化の支援、創薬の支援を行います。

すでに国際誌に15本の病理AIの論文を掲載済み。ディープラーニングの基盤技術の創出にも成功していて、転移学習を高速化させる自社技術の開発等にも成功している点もポイントです。

詳細:メドメインは2018年1月、九州大学起業部から第1号として生まれたスタートアップ。同社が開発する PidPort は、ディープラーニングとメドメイン独自の画像処理技術により、スピーティーで高精度な病理診断が実現可能だ。これまで、九州大学医学部と九州大学病院の協力のもと開発を進め、スーパーコンピュータを用いて AI への高速学習を行ってきた。2018年冬にはα版、2020年2月には正式版をリリースし、全国の医療機関と共同研究を進めてきた。

病理学は、検査量や複雑性の増加、病理医の人数が横ばいから減少に転じていることから、新たな模索を続けている。臨床病理医の人数は世界に見ても限られていて、その数は今後10年間で大幅に減少すると予測されている。最近になって、臨床・非臨床共に、デジタル病理診断の利用が急増しているが、これは、これまでの標準的な治療が抱えていた課題を解決できる可能性があるだけでなく、病理医に対して、がん関連の診療増加に伴う負担に対応するためのツールを提供するものだ。

検体をデジタルデータとして処理し、AIを使って症状の評価を支援したり、遠隔地にいる病理医に診断してもらったりする分野を、デジタルパソロジー(デジタル病理学)と呼ぶが、世界的なペインであるため、さまざまな地域にデジタルパソロジースタートアップが存在する。中でも最も有名なのは、Tiger Globalのような有名ファンドや欧米の医薬CVCから大型調達しているPathAI だろう。PathAIはこれまでに累計2億5,500万米ドルを調達し、昨年、デジタルパソロジースタートアップで初のユニコーンとなった。

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