2022.11.11 Monthly Pitch

Monthly Pitch! 今月紹介の注目スタートアップ4社の顔ぶれ

Monthly Pitch!注目スタートアップでは、Monthly Pitch編集部と協力し、毎月開催されるピッチ登壇企業から特に注目のスタートアップを毎週ご紹介していきます。

今月お届けする4社は次の通りです。

インテントデータを活用、潜在顧客にAIが自動営業する「Sales Marker」
金融や生保の顧客向けサービスをDXするフィンプラネット
賃貸契約の初期費用分割払いサービス「smooth」
スピーディーで高精度な病理診断を実現するAI「PidPort」

また、毎月第2水曜日に開催される Monthly Pitch へのピッチ登壇、オーディエンス参加を希望される方は、こちらから

インテントデータを活用、潜在顧客にAIが自動営業する「Sales Marker」

サービス概要:CrossBorderが開発するのは、潜在顧客にAIが自動営業できる「Sales Marker」。顧客企業の「興味関心データ(インテントデータ)」を活用することにより、成約確度の高い営業ターゲティングを可能にします。狙ったターゲットの興味関心が高まっているタイミングを「セールスシグナル」としてユーザーに通知することで、アプローチすべきタイミングを逃さないように。社内に分散しているリードを名寄せし、情報を拡充することも可能です。

Monthly Pitch編集部はココに注目:CrossBorder代表の小笠原さんによればアウトバウンド営業には、手当たり次第当たるしかない、タイムリーにアプローチできない、アプローチ手段が限定であるといった課題があります。これらを解決するために開発されたのが、BtoBセールスインテリジェンス「Sales Maker」です。

Sales Makerの特徴は3つ。「今欲しい」と思っている潜在顧客の特定、ニーズが発生したタイミングの通知、キーマンへの多角的アプローチです。Sales Makerは様々な種類の興味関心データを分析し、企業データベースで480万件と突合して、CRM、SFAと連携し、様々なアプローチの中から最適な方法を提案します。Sales Makerを導入することで商談獲得工数が10分の1になり、商談数・新規売上が9倍になったという顧客もいるそうです。

今後はインテントセールスの実現だけでなく、セールスオートメーションの実現、AIを活用したセールスの予測、東南アジアへのグローバル展開、などを進めていきます。

金融や生保の顧客向けサービスをDXするフィンプラネット

サービス概要:BtoCのデジタル保険ショップ事業とBtoBの金融DX事業を展開するフィンプラネット。今回のピッチのメイン主題である金融DX事業では、保険と資産運用のロボアドを金融機関向けにSaaS、具体的にはエンドユーザー向け保険のロボアドバイザーのシステムや、タブレット型の営業支援システムなどを提供しています。

Monthly Pitch編集部はココに注目:金融DXの中でも基幹システムは、これまでSIerが中心になって提供してきました。フィンプラネットはそこではなく、マーケティング・営業支援といったフロントシステムのDXに注力しています。フロント部分はエンドユーザーに近いことから、よりそれらの知見が求められますが、その点フィンプラネットは、BtoCのデジタル保険ショップ事業で得た知見を存分に生かし、サービスを提供しています。

すでに大手金融機関に保険ロボアドは導入済み。ある生命保険会社には、金融DXのコンサルティングを提供。外資系生命保険への導入も決まっています。

賃貸契約の初期費用分割払いサービス「smooth」

サービス概要:スムーズが提供するのは、賃貸契約の初期費用分割払いサービス「smooth」。賃貸不動産入居時に必要な敷金・礼金・仲介手数料といった初期費用の負担の重さから物件の選択肢が限られていた入居希望者に対し、初期費用を入居者に代わってスムーズが不動産仲介会社に支払い、入居者は入居後にその費用を分割で支払う、という仕組みです。20〜30代を中心に支持を集めています。

Monthly Pitch編集部はココに注目:月20万円の手取りで、貯金が5万円が中央値と言われているなか、50万円の引越し費用は多くの若者にとって死活問題です。一方の賃貸仲介会社も、新しい集客方法を求めています。そこでスムーズは、初期費用を分割したいユーザーを集め、提携不動産会社に紹介。引っ越しするユーザーからは分割手数料を、不動産仲介会社さんからは紹介料を得ています。「スマートフォンも車も7割の人が分割して買う中、なぜ引っ越しの初期費用だけは一括なのか。」代表の小泉さんはそう語ります。

soothは順調にユーザーと提携不動産会社を増やし、成長しています。今後は初期費用の分割に加え、家賃保証サービスやオンライン契約、引っ越し費用の分割などのサービスも拡充していく予定です。

スピーディーで高精度な病理診断を実現するAI「PidPort」

サービス概要:病理診断ソリューションとして、画像解析AIを搭載したクラウドシステム「PidPort」を開発するメドメイン。AIによる病理画像解析・遠隔診断支援、研究開発支援等を行うコラボレーション支援、そして病理データのデジタル保管といった機能を備えます。PidPortは胃・大腸・肺・乳腺・前立腺・膵臓・子宮頚部・尿といった主要臓器をカバー。全検体数の約90%を対象に、がんが検出可能なレベルでAIの開発を完了しています。

Monthly Pitch編集部はココに注目:患者の細胞組織をプレパラートで観察しがんの診断を行う病理診断を事業領域にするメドメイン。世界的ながんの診断件数増加に伴って、がんの確定診断を行う病理診断の重要性が高まっているものの、病理医の人数は横ばいで、病理医不足が叫ばれています。病理医不足は病理診断の結果が出るまでの長時間化に繋がり、待ち時間が長いために、がん進行が進んでしまうという問題の発生しているそうです。

そこで登場するのがデジタル病理を支援するAIクラウドシステム「Pidport」。病院で扱っているプレパラートを画像化し、アップロードすると、自社開発の独自ビューワーを使って、高速・高精細に患者のがん細胞等の観察が可能になります。ビューワー上で病理AIの画像解析をかければ、がんの検出を行うほか病変部位の特定が可能。これによって診断の支援、業務効率化の支援、創薬の支援を行います。

すでに国際誌に15本の病理AIの論文を掲載済み。ディープラーニングの基盤技術の創出にも成功していて、転移学習を高速化させる自社技術の開発等にも成功している点もポイントです。

以上、2022年10月の、Monthly Pitch 注目登壇企業でした。

また、毎月第2水曜日に開催される Monthly Pitch へのピッチ登壇、オーディエンス参加を希望される方は、こちらから。

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